雨降りの日の彼女
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「やべ、カバン濡れた。」


「自分濡れるよりいいだろ。
僕、コンビニ寄ってから行くから。」


「じゃあホームにいるから探して。」


「んー」


俺は傘をたたみ、改札を通る。
そして3番線に向かい、周囲を見渡す。
すると、改札のほうから楽しそうな声が聞こえた。
そちらに視線を向けると、目当ての人間が視界に入った。

お嬢様に見えないお嬢様学校の彼女。
この前から気になっていて、帰りの駅のホームで彼女を探すのは、もう日課と化していた。


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