雨降りの日の彼女
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「なんで最近雨ばっかなんだよ。」


俺は駅に着くなり、空に向かって文句を言った。
まだ梅雨は先のはずなのに、世界は次第に異常になっていく。
俺の感情みたいに。


「はぁ…なんか俺やだ……」


自分を自分で否定してみたが、いつもなら肯定やら否定やらしてくれる浩介は、今隣にいない。
「用事ある」とか言って、SHRをすっぽかして走って行ったから。
まぁいい。
別に帰る約束をしてるわけではない。
が、


「…いるじゃん」


3番線に目をやると、あいつがいた。何故。


「意味不明だし…」


ぼやきながら彼の元へ向かう。
その時、視界の隅に彼女が映った。


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