雨降りの日の彼女
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俺の中の何かが崩れたと思ったら、いつの間にか彼女にあんなことを言っていた。

いつもなら、発揮されないであろう自分の行動力に驚きながら、ふと彼女に意識を戻す。

彼女はこちらを向いていて、自分が彼女の瞳に映ってるのが見えて、自分が彼女の瞳に映ってるのがあまりにも嬉しくて、その場で固まってしまったのだ。

そのまま彼女は逃げるだろうと思っていたが、思いとは裏腹に、いきなり手首を掴まれた。
それにまた驚いて、固まったままの俺に、「ちょっときて」とだけ言って、彼女は俺を引っ張り、連れ去った。

到着場所がここ。そして今の状態に至る…。


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