雨降りの日の彼女
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「でね、初対面で悪いんだけどさ、聞いていい?」


「……今更悪いって言われても、今まで好き勝手してんじゃん。」


「うん、でね、」


「浩介のことでしょ」


「うん」


「好きなの?」


「うん」


「………はぁ」


俺はまたため息をつきながら、再びコーラに手を伸ばす。
普通に核心に触れると、彼女はあっさり肯定した。
素直なのにも程があると思う。


「で、―…」


俺はコーラを置いて彼女の方に視線を戻し、口を開いたが、その先の言葉が出てこなかった。
目の前の彼女の顔が、火が出そうな程真っ赤だったから。


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