雨降りの日の彼女
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「…えっと、大丈夫?」


「え、な、何が」


「顔真っ赤」


「ええっ!?」


気づいてなかったらしく、彼女は俺の指摘に驚き、頬に手をあて確かめる仕草をした。


「ご、ごめん。こんな話したの初めてで」


慌てながらそういう彼女。
どんどん赤くなる彼女の顔。
確かに恋話をするのは恥ずかしいことだが、ここまで素直な反応を示すのも珍しいと思う。


「…………初恋?」


なんとなく聞いてみる。と、



「………………です。」


彼女は、俺の問いに小さな声でそれだけ答えた。


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