雨降りの日の彼女
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「で、どうしたの。」


「どうしたのって?」


「俺が電車に乗らせてもらえなかった理由。」


「茜を見つけたから引き止めただけだよ。」


「…」


俺は眉間に皺を寄せた。
彼女の返事の意味がよくわからない。
俺はそのままの表情でじっと彼女を見つめていると、説明が足りないことに気づいたのか、彼女は「ああ」とか言った。


「えとね、あたし茜との連絡方法知らないから、次見つけたら絶対捕まえようって思ってたの。
で、それがたまたまさっきだったって話。」


手を動かしながら説明する彼女。
それを聞いて、疑問が浮かぶ。


「なんで連絡方法知りたいの?」

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