雨降りの日の彼女
.



「何、早いほうがいいの?」


気になって尋ねると、彼女は「うん」と、首を縦に振った。


「だって、イベント事とかって、それに便乗して距離を縮められるでしょう?」


「………」


よくわからない子だと思った。
ライバルに相談するという非常識だと思われることをしておいて、ちゃんと計画性がある。
変だ。


「茜?どうしたの」


「別になんでもないって」


また黙ってしまった俺に、彼女は不思議そうに首を傾げながら尋ねてくるので、俺は軽くあしらった。

.
< 43 / 125 >

この作品をシェア

pagetop