雨降りの日の彼女
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「佳乃ちゃんが必死になんの?
絶対に恋愛事で悩まないと思ってたんだけど」


「俺はお前の中でどんな人間なの。
まあ相手が相手だからなー、かっこいいんだよ可愛くて。
口悪いのに寂しがり屋なの。」


「や、かっこいいか可愛いかどっちかにしようよ。」


ノロけ始めた先生に適当に突っ込む。
そんな俺に気づいたのか、「はははっ」と声を出して笑ってきた。


「まあ、悩んでるならぶつかってこれば?
ウジウジしてっとかっこわりーぞ。」


「ぶつかれないから悩んでんだよ。」


ふてくされながら返事をすると、また愉快そうに笑われた。
絶対数学教師より体育教師のほうが似合ってると思った。

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