雨降りの日の彼女
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「茜」


「ん?」


うつ向いたままの彼女に呼ばれ、周りに向けていた目線を正面に戻す。


「共通点は相手との接点をつくるのよ。
で、それがあれば話す話題ができるのよ。」


「うん、わかった。ごめんごめん」


ブツブツ呪文を唱えるように彼女が言うので、少し怖くなって謝っておいた。


「ねぇ茜。」


「んー?」


「茜は何型?」


「俺……?」


未だ持っていたコーヒーカップをテーブルに置きながら、彼女を見る。
そして笑った。


「なんで俺?浩介はもういいの?」


ちょっと意地悪かなと思いながら尋ねると、彼女はまたうめいた。


「…よくないけど、でも茜のも知らないなって思って。」


「……」


「茜?」


「B」


「あ、うん。そんな感じだ」


彼女が「思った通りだ」とか言って笑うから、俺は目線をカップの中で揺れるコーヒーに合わせた。

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