雨降りの日の彼女

06.

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『雨の日は嫌いだった。
髪がまとまらないとか、服が汚れるとか、そういう女みたいな理由ではなくて。
天気と一緒に憂鬱になる心と、下を向いて歩くことが、酷く惨めに思えたんだ。
それに、下ばかり見ていたら、君に気づくことができないだけでなく、自分さえ見失いそうで怖かったんだ。』






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