雨降りの日の彼女
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「えーと電車は…」


電子掲示板を見ながら、浩介は改札を通る。
俺も傘をしまい、その後に続く。
途中から本降りになったせいで、俺たちはびしょ濡れ。
はっきり言って、傘は役目を果たさなかった。


「きもちわりー……」


俺はそう呟きながら、肌に付着する濡れたシャツを引っ張り空気を入れる。


「茜ー3番線。」


「うーい」


浩介に軽く答え、濡れて下がった前髪をかき上げる。
もうそろそろ切ろうかな。


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