雨降りの日の彼女
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『ふふっ』


そんな時、電話の向こうから笑い声が聞こえた。


「…何がおかしいの。」


『だって、茜がどんな顔して考えてるか想像できて…。
頭の中では几帳面に考えてるのに、どっかいい加減でしょ。』


「…。」


何故わかる?
彼女はエスパーか何かか?


『茜ってさ、見た目からいうと几帳面で綺麗好きっていうか…潔癖?なイメージだけど。
実は突発的で、適当に手を抜くタイプでしょ?
最初に声かけてきたの茜のくせに、そのあと動揺してたもん。』


思い出したらしく、彼女はまたクスクスと笑う。
そのとおりで、俺は「笑うな」としか言えなかった。
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