雨降りの日の彼女
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「晴れてる…」


ぽつりと呟く。
こんな明るい空の下で駅前で待つのは久しぶりで、なんだか落ち着かない。


「茜!」


呼ばれ、振り向く前にもう一度携帯電話を開く。
16時47分。


「早いじゃん。」


時間を確認してから振り返る。と、そこには二人いた。
おなじみの由宇と、見知らぬ女。


「…なるほど。だからか。」


苦笑混じりに呟く。
なんとなく気づいていたけど。
由宇が気づいたのか、不思議そうに「茜?」ともう一度俺を呼ぶので、「何でもない。」とだけ返す。


「あのね、この子あたしの友達なんだけどね、茜に話があるって。」


「うん。」


「じゃあ、あたしはこれで!」


「ん。またな。」


「うん。」


彼女の後ろ姿を見送る。
笑顔の彼女に、上手に俺は笑顔を返せただろうか。

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