雨降りの日の彼女
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「っ?!」


「あ、ごめんなさいっ」


直後、後ろから軽くぶつかられた。
すると、瞬時に謝罪の言葉が聞こえた。


「大丈夫ですか?よそ見してて…」


「大丈夫大丈夫…気にしないで。」


目の前には、女。
多分おれと20センチくらい差があるだろうか。
セミロングぐらいの黒髪が、幼く見えさせないこともないが、高校生だ。
しかも、制服からしてお嬢様学校の。


「本当にごめんなさい。じゃっ」


最後にもう一度謝って、声の主は俺の前方へ走って行った。
なかなか忙しそうだと、その後ろ姿を見つめながら考える。
すると友達だろうか、女子二人が彼女に駆け寄った。


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