雨降りの日の彼女
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「……ねぇ、恋愛ってさ、どんな感じ?」


「え?」


「由宇はさ、どんなふうに浩介が好きなの?」


「な、なにいきなり」


「聞きたいって思っただけだよ。」


慌てる彼女ににこりと笑ってみせた。
由宇が浩介を好きなこと前提で話はするが、恋や恋愛について話すのは初めてで、しかも俺がそれを話題にするとは思っていなかったらしい。
彼女は少し頬を染めながら、俺が掴んだままのレモンティーのグラスを受け取り、ストローに口をつける。
その液体が喉を通る動きを、俺はなんとなく見つめた。
そして彼女は小さく息を吐いた。


「…見てたいと思うの、最初は。」


「うん。」

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