赤いエスプレッソをのせて
もうすでにオレンジ色の空
♪
「動かないで」
と言われたのは、これでもう何度目だろうか。
鳥が飛んできたように見えたから、窓の外へ目を向けようとして、かなりの回数注意されたはずだ。
キャンバスへ真剣な眼差しを向け、時々私を観察し、世話しなく、けれどなめらかに手を走らせる彼、山久尚司は今、私の絵を描いてくれているんだ。
ああ――少し前のことを話さないと。
私はそう、くだんの通り魔に刺されてしまったんだ。
それからほとんど間を置かず――というか犯人がショーと出くわすほどのタイミングで――彼が到着したんだ。
それからすぐに救急車が呼ばれ、病院へ搬送された、と。
まあ、私を助けたショー自身、雨に濡れたせいでまたとんでもなく熱が上がってしまい、ニ、三日病院内で寝込んだそうだ。
私は一日ほど昏睡状態に入っていて、結局は、目が覚めたのは彼よりも数時間ばかし遅かった。
「動かないで」
と言われたのは、これでもう何度目だろうか。
鳥が飛んできたように見えたから、窓の外へ目を向けようとして、かなりの回数注意されたはずだ。
キャンバスへ真剣な眼差しを向け、時々私を観察し、世話しなく、けれどなめらかに手を走らせる彼、山久尚司は今、私の絵を描いてくれているんだ。
ああ――少し前のことを話さないと。
私はそう、くだんの通り魔に刺されてしまったんだ。
それからほとんど間を置かず――というか犯人がショーと出くわすほどのタイミングで――彼が到着したんだ。
それからすぐに救急車が呼ばれ、病院へ搬送された、と。
まあ、私を助けたショー自身、雨に濡れたせいでまたとんでもなく熱が上がってしまい、ニ、三日病院内で寝込んだそうだ。
私は一日ほど昏睡状態に入っていて、結局は、目が覚めたのは彼よりも数時間ばかし遅かった。