赤いエスプレッソをのせて
♪
ベッドの下やら、
「あれっ? ――ねぇ?」
冷蔵庫の中やら、
「ちょっとさ?」
玄関先やらをあちこち探し回りながら、
「千代ー、あれ知らない?」
返事をしない千代に、いつものくせで訊いていた。
「ほら、昨日買ってきた、オレンジジュースよ。知らない?」
私は別に、霊能力者とか、超能力者じゃないんだ。
単に、自分の肩に、今はこの世にいない妹が見えるというだけ。
妹が死んだのは私が八歳の時で、その理由は、そんなことで? と他人に驚かれそうなものだから、とてもじゃないけど語りたくもない。
簡単に言ってしまえば、妹にだれかさんがムシャクシャした、そんなところだ。
ベッドの下やら、
「あれっ? ――ねぇ?」
冷蔵庫の中やら、
「ちょっとさ?」
玄関先やらをあちこち探し回りながら、
「千代ー、あれ知らない?」
返事をしない千代に、いつものくせで訊いていた。
「ほら、昨日買ってきた、オレンジジュースよ。知らない?」
私は別に、霊能力者とか、超能力者じゃないんだ。
単に、自分の肩に、今はこの世にいない妹が見えるというだけ。
妹が死んだのは私が八歳の時で、その理由は、そんなことで? と他人に驚かれそうなものだから、とてもじゃないけど語りたくもない。
簡単に言ってしまえば、妹にだれかさんがムシャクシャした、そんなところだ。