赤いエスプレッソをのせて
♪
家に帰ってから、いつものくせでショルダーバッグをひっくり返した時、見慣れないものを見つけ、
「ぬぅぅうっ?」
ミョウチクリンな声をあげてしまった。
これが独り言になりきらないのは、まあ、ひとえに千代のおかげだろう。
彼女が私の肩から、なになにどうしたの? って感じで、一緒に同じものを見てくれるからだ。
「なによ、これ。千代、知ってる?」
反応は望めないとわかってても、訊いてしまう。これもくせ。
『見慣れない物体』というのは、クリスマスとかバレンタインデーとか、あとはラブレターなんかに使われそうな、小洒落たメールカードだ。
もらっことはあっても、書いた試しがない私の人生において、他人と間接的にも繋がるこんな紙切れ、見慣れないもの以上にはならない。
いっそ宇宙人みたく錯乱してしまいそう。
イッタイ ナンデスカ コノ カミキレハ――?
家に帰ってから、いつものくせでショルダーバッグをひっくり返した時、見慣れないものを見つけ、
「ぬぅぅうっ?」
ミョウチクリンな声をあげてしまった。
これが独り言になりきらないのは、まあ、ひとえに千代のおかげだろう。
彼女が私の肩から、なになにどうしたの? って感じで、一緒に同じものを見てくれるからだ。
「なによ、これ。千代、知ってる?」
反応は望めないとわかってても、訊いてしまう。これもくせ。
『見慣れない物体』というのは、クリスマスとかバレンタインデーとか、あとはラブレターなんかに使われそうな、小洒落たメールカードだ。
もらっことはあっても、書いた試しがない私の人生において、他人と間接的にも繋がるこんな紙切れ、見慣れないもの以上にはならない。
いっそ宇宙人みたく錯乱してしまいそう。
イッタイ ナンデスカ コノ カミキレハ――?