赤いエスプレッソをのせて
それにしても、週に二、三度デートへ引っ張り出されらのは、たまったもんじゃない。
なかばストーカーじみているとも思うのよね、うん。
それから、ヤツが私のバイトしているコンビニを偶然、あくまでも偶然見つけて以来、夜のシフトは強制的に送迎されていた。
女性が夜道をひとり出歩くのは危険ですから、というのは山久の言だ。
自然・必然的に彼は私の家がどこにあるのか知ることになったし、また今度デートしましょう、なんて言われている間に、ケータイのアドレスと番号を交換させられていた。
まったく、詐欺師のように口の回る男だわ。
一週間ほど前、このことを仲代先生に救援を頼むつもりで話してみたら、
「いいじゃありませんか。その彼、特別殺してほしいとか言ってるわけじゃないんでしょう?」
そりゃそうなんだけど……。
「それに、彼はアナタに甘えたいんですよ、きっと。どんな理由かはわかりませんけど、黒井さんにとって必要とされるという感覚は、イヤなものじゃないでしょう?」
なかばストーカーじみているとも思うのよね、うん。
それから、ヤツが私のバイトしているコンビニを偶然、あくまでも偶然見つけて以来、夜のシフトは強制的に送迎されていた。
女性が夜道をひとり出歩くのは危険ですから、というのは山久の言だ。
自然・必然的に彼は私の家がどこにあるのか知ることになったし、また今度デートしましょう、なんて言われている間に、ケータイのアドレスと番号を交換させられていた。
まったく、詐欺師のように口の回る男だわ。
一週間ほど前、このことを仲代先生に救援を頼むつもりで話してみたら、
「いいじゃありませんか。その彼、特別殺してほしいとか言ってるわけじゃないんでしょう?」
そりゃそうなんだけど……。
「それに、彼はアナタに甘えたいんですよ、きっと。どんな理由かはわかりませんけど、黒井さんにとって必要とされるという感覚は、イヤなものじゃないでしょう?」