大嫌いな幼なじみと再会した場合。
「名前呼びしてたの?」
「う…うん」
「谷本は名字呼びなのに?」
「それは……」
「恵麻。」
光樹くんに手招きで呼ばれたので、葵を無視してそっちに向かった。
「なに?」
「あれ、誰よ。彼氏?」
「っ違うよ!!」
うわ…
おっきい声出しすぎた…
「……そんな全否定しなくてもいいよ。
谷本もいる時点で分かってたし。」
光樹くんが声を出して笑うから、少し緊張がほどけた。
「ねぇ、俺と別れてから彼氏作った?」
ズキ…
私は首を横に振った。
顔、熱い。
光樹くんも顔が真っ赤だ。
たぶん、私と同じくらい。
「俺も。」
「そ…そうなんだ。
なんか、高校入ってもあんま変わんないね。相変わらず男の子と進んで会話できないし。」
「今、できてんじゃん。」
「そうかな……」
久しぶりに光樹くんとまともに話した。
別れた後ほとんど話さなかったし、少し嬉しい。