大嫌いな幼なじみと再会した場合。




「名前呼びしてたの?」


「う…うん」


「谷本は名字呼びなのに?」


「それは……」





「恵麻。」


光樹くんに手招きで呼ばれたので、葵を無視してそっちに向かった。



「なに?」


「あれ、誰よ。彼氏?」





「っ違うよ!!」






うわ…

おっきい声出しすぎた…




「……そんな全否定しなくてもいいよ。

谷本もいる時点で分かってたし。」



光樹くんが声を出して笑うから、少し緊張がほどけた。




「ねぇ、俺と別れてから彼氏作った?」


ズキ…


私は首を横に振った。


顔、熱い。


光樹くんも顔が真っ赤だ。
たぶん、私と同じくらい。



「俺も。」


「そ…そうなんだ。

なんか、高校入ってもあんま変わんないね。相変わらず男の子と進んで会話できないし。」


「今、できてんじゃん。」


「そうかな……」




久しぶりに光樹くんとまともに話した。


別れた後ほとんど話さなかったし、少し嬉しい。






< 119 / 241 >

この作品をシェア

pagetop