大嫌いな幼なじみと再会した場合。
「なぁ、もしよかったら今度…「恵麻」
ドキーッ
いちいちビックリするな。
私は顔だけ葵の方を向けた。
「早くカフェ行くぞ。」
え…なんか怒ってない?
「ちょっと待ってよ……」
「もう十分待った。」
葵は無理やり私の手を引っ張り、歩き始めた。
「離して!」
「黙れ。」
「痛っ…痛いって……!」
私の手首に込められる力がものすごく強くって、
止まるなんておろか、痛みをこらえるのに必死だ。
「痛いっ、やだ!」
私の手首折る気か!
涙目になってきたとき、葵は歩くのをやめた。
「光樹くん……」
葵の前に光樹くんが入ってくれたのだ。
「痛がってるだろ。離してやれよ。」
「カンケーない。」
「お前よりはある。俺の元カノなんだけど、そいつ。」
「へー、やっぱりな。」
葵はスッと私の手を離した。