大嫌いな幼なじみと再会した場合。




それから数日間、文化祭準備で忙しく、なかなか他のクラスの葵に会える機会がなかった。



ラインで会う約束をするのもありだったけど、なんか誘おうとしてる感が満載と言うか……

いや、誘おうとしてるんだけど。

とにかく私には恥ずかしかった。




そのうち会えるだろうと思っていたけど、あっという間に今日、文化祭前日準備の日になってしまった。




「恵麻ちゃーん!衣装出来たよー!」


「まじで!?」



手芸部の凛々子ちゃんに差し出された服を広げると、想像してたまさにそれ。

デザイン画とほぼ同じナース服ができていた。



「すっ、すご!やばっ!

凛々子ちゃん超裁縫うまいね」


「ありがと。

ね、それよりさ。葵くん文化祭誰と回るか知ってる?」



ドキッ



予想外のタイミングで出てきたその名前に変な汗が出てくる。







< 163 / 241 >

この作品をシェア

pagetop