大嫌いな幼なじみと再会した場合。
「すみません先輩。ナンパは禁止で。」
「ちぇー、つまんね。」
「裏行こう。篠岡。」
「うん…」
私は滝沢くんの後について、一旦外に出た。
「まーくん?恵麻も!どーしたの?」
「深雪……」
「コイツ、ナンパされてさ。
篠岡、しばらく深雪とここで呼び込みしてな。」
「あ…うん。ありがとう、滝沢くん」
滝沢くんはにっこり笑うと、さっき私がとった注文書を持ってまた教室に入っていった。
「あんたモテモテだねー。気を付けなきゃ。」
「そんなんじゃないけど…深雪の彼氏さすが頼りになるわ」
「だしょー」
深雪はニカッと笑って、私にピースサインを向けた。
時計を見ると、9:53。
早く11:00にならないかなー。
私は小さくため息をついた。