大嫌いな幼なじみと再会した場合。
「コスプレ喫茶ねぇ。
なんかいかがわしいな。そんなんでうろついてるとすぐ変な男に引っ掛かるぞ。」
「バーカ。もうナンパされちゃったもんね!」
葵は私をキッと睨むと、
「威張ってんじゃねぇ、ブス。」
とほっぺたをつまんで引っ張っられた。
「いったぁぁ!」
「んで?最初どこ行くよ?」
「うーん…」
痛むほっぺをさすりながらパンフレットを見る。
「どーしよ…。」
「決まってないならさ、俺のクラスの劇寄らね?」
「え、いいけど…
ん?葵出演しないの?」
「出るよ。今日は次の公演で終わり。」
「えー、私ぼっちじゃん!」
「すぐ終わるからさ。終わるまでに行きたいとこ決めろ。
ほら、行くぞ」
「ぅ、わっ……」
葵に手を引っ張られ、体育館へ向かう。
手から伝わる葵の感触に心臓が跳ねる。
やっぱり葵って不思議だ。
周りがスッとよけるんだ。
ちょっとだけ、おおげさだけど、葵が神様みたいだと思った。