大嫌いな幼なじみと再会した場合。




「コスプレ喫茶ねぇ。

なんかいかがわしいな。そんなんでうろついてるとすぐ変な男に引っ掛かるぞ。」


「バーカ。もうナンパされちゃったもんね!」


葵は私をキッと睨むと、

「威張ってんじゃねぇ、ブス。」

とほっぺたをつまんで引っ張っられた。



「いったぁぁ!」


「んで?最初どこ行くよ?」


「うーん…」


痛むほっぺをさすりながらパンフレットを見る。



「どーしよ…。」


「決まってないならさ、俺のクラスの劇寄らね?」


「え、いいけど…

ん?葵出演しないの?」


「出るよ。今日は次の公演で終わり。」


「えー、私ぼっちじゃん!」


「すぐ終わるからさ。終わるまでに行きたいとこ決めろ。

ほら、行くぞ」


「ぅ、わっ……」



葵に手を引っ張られ、体育館へ向かう。


手から伝わる葵の感触に心臓が跳ねる。




やっぱり葵って不思議だ。


周りがスッとよけるんだ。



ちょっとだけ、おおげさだけど、葵が神様みたいだと思った。






< 177 / 241 >

この作品をシェア

pagetop