大嫌いな幼なじみと再会した場合。
違う。
応援なんて……
してなかった。できなかった。
いつも、自分だけ凛々子ちゃんの優位に立ってたサイテーな人間なのに……
「じゃあ…また明日ね!」
「違う!待って、凛々子ちゃん!」
私が大声を出したので、凛々子ちゃんは驚いた顔で振り返った。
「ごめん…。私、そんないい人じゃない。
凛々子ちゃんの気持ちは知ってたのに、私の気持ちは凛々子ちゃんに言えてなかった。」
「恵麻ちゃん……?」
「私も……
葵のことが好きだ。」
下を向いていたので、凛々子ちゃんがどういう顔をしているのかは分からなかった。
「そっか……そうじゃないかと思ってた。」
「言わなくてごめん。サイテーだ。」
「何言ってるの!サイテーじゃないよ。
ちゃんと言ってくれたじゃん。
今度は恵麻ちゃんが頑張る番だね!」
私はコクリと頷いた。
うん、と言ったら泣いてしまいそうだったから。
「ほら、葵くんのお見舞い!いってらっしゃい。応援してる!」
「ありがとう!凛々子ちゃん」
凛々子ちゃんの手をぎゅっと握った後、私は小走りで葵の家へ向かった。