大嫌いな幼なじみと再会した場合。
小学校低学年の時以来だ。
葵の家。
インターホンを鳴らすと、カラカラの葵の声が聞こえた。
「……はい」
「葵?恵麻です!」
「えっ、恵麻!?なんで……ちょ、待ってろ」
アハハっ、焦ってる焦ってる。
凛々子ちゃんの「応援してる」の言葉をもう一度思い出して、深呼吸した。
よしっ!
ガチャッと開いた玄関から葵が顔を覗かせた。
「なんで来てんの。」
「憎まれ口ばっか。ご飯食べてる?色々買ってきたんだけど……」
「…………」
何も言わずに葵は玄関の扉を大きく開いた。
入れ、ってことだよね……
「お邪魔しまーす……」