大嫌いな幼なじみと再会した場合。
「じゃあ、私帰るね。」
「今日は物分かりいいな。」
「さすがに病人に無理させられないし。」
「じゃ、また。」
葵はぶっきらぼうに手を振った。
「う、うん……」
そっぽ向いてるけど、やっぱりつらそう…。
「……っ、葵!本当に大丈夫?」
「は?」
葵の額に手を当てる。
「おまっ、何して…」
熱、すごい高い…。
「っ触んな!」
葵に手を振り払われ、私は思わず床に尻餅をついた。
「何…?そんなに怒ること…?」
「お前、今どういう状況かわかってんのか!?」
「え…葵が風邪引いて、私がお見舞いに…」
「ちげーだろ。お前ってホント鈍いのな。
男の部屋に二人っきり。
いくらブスなお前でもバカなことばっかしてると襲うぞ。」
「おそっ…!?」
葵、風邪引いてるくせにそんなこと考えてたの!?
「バカじゃん!」
「うっせー。バカはお前だろ」
「葵っていっつもそう。
好きでもない人とでも恋人みたいなことできるんだね。」
「は?」
「今自分で言ったんじゃん!それに…同窓会の時のことだって…」
「お前浅はかだな。」
「へ?」
「俺がブス専だったらどーすんの?」
その瞬間、葵が私をヒョイと持ち上げて、ベッドの上に下ろした。