大嫌いな幼なじみと再会した場合。




「じゃあ、私帰るから。」



早く葵と別れたくて、すぐに話を切った。



「かわいくねーヤツ。」



「っ!

何?つっかかってこないで。」



「あ、聞こえた?ごめんごめん。」



イラ…



「そういういちいち挑発してくるところがムカつくんだってば!

帰る。

言ったでしょ。嫌いなのは変わらない、って。」



「一回キスしたくらいで嫌い嫌いって…

お前、そんなんじゃ一生彼氏できねーぞ。」



「あんたには関係ないでしょ!!




だいたい私、中学のとき彼氏いたし。」




『キスしたくらい』という言葉が妙に燗に障って、

私は素早く葵に背を向けた。






だが前に進もうとしたのに、私の体は後ろに引っ張られた。








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