大嫌いな幼なじみと再会した場合。




「バスケ部入るの?」


「んー…。どーしよっかな。」



葵は自分の自転車を駐輪場から押してきた。



「あ、そういえばさ!写真撮ったよ。真田のと滝沢くんの。

ほら見て見て~」


「え、どれ。」



私の携帯の画面を覗き込む葵が思ってたより近くってドキッとする。



「あ、これこれ。

ドリブルの真田。あと交代させられて萎えてる滝沢くん!面白いでしょ!」


「これしか撮ってねーのかよ。」



「そんなにいっぱい撮ってもいらないし……

それに写真撮るのに夢中になって試合よく見れないの嫌じゃん?

形に残るのも大事だけど、やっぱり目に焼き付けないと!」



「ふーん…。

俺、お前のそういう考え方好き。」



『好き』っ!!?


いや、考え方ね!



「どーもありがと。」




私は顔をそらして上手く動揺を隠した。






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