夜ー闇に隠された瞳の奥ー
みんな男子コーナーの水着売り場にいるから私は1人で選ぶ。
まぁ、普通なんだけど。
………ときどき、ふと思う。
私が、楽しんでいいのか。と。
…………今は考えるの止めよう。
さて、どれがいいか。
と言っても私は泳がないからなぁ。
「……んー、」
これでいっか。
私は白色に金の蝶が刺繍されたビキニを取った。
本当はビキニやだけど、おかしな事にビキニしか売ってない。
それと羽織るものでいっか。
羽織るものを手に取った時、丁度龍太の
「みずなー!決まったー?」
と声が近づいてきた。みんなを連れて。
「……ん、決まった」
「えぇー?白?そこは黒でしょ!」
なに、その"そこは"って。
「ほら!これにしよーよー!」
龍太がそう言って取ったのは、同じ刺繍の黒色。
「うん、こっちのが俺的好み……」
龍太きもい。
とは口に出さないでおいた。
だってみんなも
「みずなには黒が似合いますよ」
「…黒」
「……黒にしとけ」
と賛成するから。
「……はぁ。わかったよ」
私は白色の水着を置いて、黒色の水着を取った。
「んじゃ、買おーぜ」
みんなそう言ってレジに行った。
私もそれに着いて行く。
レジで、お金を払おうとすると直気が払うからと言って直気以外のみんなは店の外へ出てしまった。
「…自分の物くらい買える」
「いいんですよ。みずなも外に出ててください」
何度言っても直気はその調子なので私は渋々店の外のみんなのところに行った。