夜ー闇に隠された瞳の奥ー






ーーーーーー



「ついた」



「んー………」





どうしよ、眠い。



「おい」


「…眠い」



「…ッチ」





眠気と戦っていると、体がフワッと浮いた。




!?








慌てて目を開けると、夏に担がれていた。







嘘だろ……担ぐのかよ。





「……夏…」




「うるせぇ。」




ごめんなさい。





それから夏は私の部屋まで送ってくれた。



ボフッ




ベッドに投げ捨てられた。





「…ありがと」


「ん」


夏は私の頭をくしゃくしゃ、と撫でた。



「無理するなよ」



"無理するな"




なんだか最近、いろんな人に言われる気がする。






「……無理なんてしてない。………私は強い」





そして言われるたび私は自分に言い聞かせるように言うんだ。






"無理してない"


"私は強い"



そう、私は強いんだ。





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