夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「……俺らは、許す許さないの問題じゃないっつってんの。
誰にだって隠してることくれぇあんだろ。言えないことだってある。
俺たちがお前のこと全て知らねぇように、お前も俺たちのこと全て知らねぇだろ?
だから、これは大した問題じゃねぇんだよ。
わかったか?馬鹿が。」
夏がまとめて言ってくれた。
…………………最後の馬鹿は余計だけどね。
でも、そういう事か。
「……ありが、とう」
私はそう呟いた。
「もー、みずなって馬鹿だよね」
龍太まで馬鹿とか言うし。
「これからも俺たちの仲間であり、友達ですよ?俺たちは離れていきませんから」
直気……。なんで私が心配してたことわかるの?
エスパーだ。
「…………泣かないで……」
治矢はそう言って私に抱きつく。
泣く………?
私は頰に触れた。
濡れてる。
私、泣いてるの?
「……ありがとう」
私はそう言って顔を上げた。
するとみんなは驚いた顔をしている。
「……笑ってる」
「………本当だ」
「………笑ってます」
「……フッ」
笑ってる……………?
私が?笑ってるの?