夜ー闇に隠された瞳の奥ー




成さんには言っとかないとね。



「……鈴木組は、いや。鈴木は私たちを殺す気です。」




私がそう言うと成さんは息を飲む。






そして口を開く。





「………….なんで」





「…………俺たちの両親は殺せたけど、その子供が生き残っているから。こんなとこだと思いますよ」





誠がそう言って窓の外を見る。







「なんで……っ、」




成さんは悔しそうに声を漏らす。





「…………成さん、」




私は成さんに向かって口を開け開く。





「私たちは殺される気なんてありませんよ。殺られる前に殺る勢いです」





本当には殺さない。




けどね、気持ちは殺す気でかかるよ。鈴木。






私の言葉に誠も向き直り、頷く。






成さんはそんな私たちを見て、







「…………流石、あいつらの子供だ」




と呟いた。












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