夜ー闇に隠された瞳の奥ー



バン!


おーおー、そんな大きな音立てて開けんなって。

ドア壊れんぞ。



ドスッ!

「…いっ…たぁ…」


屋上の真ん中らへんで急に落とされた。


畜生。

ボーッとしてたから普通に落ちたし。


私は立ち上がった。

そして口を開く。

「………帰ります。」


「えぇ、ちょいちょい。今来たばっか!」


「………うるさい」


赤髪うるさい。


口に出ちゃった。


「あぁん?なんだと?」

短気。

うざっ。


「………おいお前。」


赤髪と睨み合っていると、黒髪がソファに座ってこちらに口を挟んだ。


って、なんで屋上にソファあんだよ。

ぜってぇそれ汚ぇぞ?


他の奴らも座ってるし。


「…おい。聞いてんのか?」


あ。またボーッとしてた。


私は黒髪に視線を向ける。

「………お前、夜ーYamiーって暴走族知ってるか?」


夜?

暴走族?


あぁ、なんかこの間組の奴らが話してたなぁ。


話の内容は知らんが。


「………知ってますよ、」


名前だけ。

とは言わなかった。



「そうか。まぁ知ってるなら話が早い。」


なにを話すんだよ。

てかさ、まさかのまさかだよね。


この人たちって…

「俺たちは、その夜って暴走族だ。」



目を、閉じたくなった。


めまいに襲われたが、なんとか耐えた。


「………で?」


にやりと口角を上げて言った。


すると黒髪もにやりと口角を上げた。


「………お前、仲間になれ。」


「まじで!?まじで言ってるの?夏!」


「あぁ。てかお前らもそういうつもりだろ?」

赤髪が入ってきた。


「まぁ、うん。」

「そうですね。

「………ぐ〜」

今まで黙っていたみんなも賛成している。


……1人寝ながら頷いたけど。


ってか。

「………なんねぇよ。仲間になんか。」



仲間になる気は毛頭ない。



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