夜ー闇に隠された瞳の奥ー
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父、母、俺の3人家族。
けれど、母の顔は知りません。
俺が産まれてすぐに亡くなったらしいからです。
だから、会ったこともなければ声も聞いたことなんてありません。
俺はずっと親父と2人で暮らしてきました。
幸せでしたよ。
母さんなんていなくても、笑顔が絶えない家庭でした。
料理だって、洗濯だって。
家事全般は親父に教えてもらいながらやっていました。
上手くできらたら親父はうんと褒めてくれました。
また、ダメなとこがあったら優しく教えてくれるような親父が大好きでたまらなかった。
けれど人は儚いものです。
変わるんですね。
「ただいま!お父さん!」
ある日、俺が学校から帰ると家に親父の姿はありませんでした。
初めてでした。
親父は家で作家として働いていました。
なのでいつも家にいるはずなんです。