夜ー闇に隠された瞳の奥ー
奈香瀬組
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「すっげぇ」
「ここが、ヤクザの………」
「緊張する…………」
「でか」
本家の前、みんなが口々に言う。
でも、その瞳には先代に会える喜びが見え隠れする。
まぁ、それも当たり前だよな。
あの人、引退してすぐここ入ったから一回も顔見せてないみてぇだし。
「行くぞ」
私はそう言って足を進めた。
「あ、まって!離れないで〜」
「庭園……お昼寝……」
「和風ですね」
「…ここに菜月さんが…?」
みんなまだブツブツ言ってんのかよ。
キィ………
「お帰りなさい!お嬢………なんだ貴様ら!お嬢、こいつらは!?」
門を開けると、中からいつものように組員が挨拶をする。
…………まぁ、夏たちに反応してるが。
「落ち着け。こいつらは私の客だ。悪い奴らではない」
「ですが……」
「私の客だ」
「はい…」
組員はそう言って道を開けてくれた。