夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「お待たせ」
私はスーツに身を包み、髪を束ねた組での格好になると部屋の外に出た。
「おぉ、かっこいい」
「あれ以来ですね。みずなのスーツ姿」
「……みずなが女だ…」
「……ネクタイずれてる」
龍太、直気、治矢、夏の順で言う。
治矢失礼だな。
「ずれてるって……」
「あ、わりぃ。さんきゅ」
夏は私のネクタイを直してくれた。
「んもー、いちゃつくなっての。みずな、早く会わせて!」
龍太がそう言って膨れる。
「はいはい」
私は苦笑いで夏から離れた。