夜ー闇に隠された瞳の奥ー




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「ぎゃはは!」

「なにそれやべぇ!」

「俺にも見せろ!」

「あぁん?」


襖の前。



………うるせぇな。


龍太たち黙ってるし。


顔真っ青。




まさか、怖がってんのか?



……夏は欠伸してていつも通りだけどな。


「あ!おいそれ俺の!」


「いいじゃねぇか!」



あー、もう!



ガラッ!




「あ………お嬢」




「うるさい。こんな時間から酒飲むな。」




私がそう言うとみんな慌てて酒を片付け始める。


夏たちは中の奴らから見えないところにちゃっかりいるし。


そんなことより、


……菜月菜月………。


あ、いた。





「菜月」



「はいぃっ」




顔真っ青。




こいつもか。



まぁ、いいや。



「菜月はここにいろ。他の奴は酒持って出てけ」





「え、お嬢?」




菜月が頭を傾げて言う。





他の奴らは酒を持って一目散に出て行った。






夏たちのことは全く見えてないのか。




私はそんなに恐れられてんのか?








「お嬢、みんなお嬢のことしたってますから。そんな顔しないで。恐がってないですよ。」







菜月はそう言って私に笑いかけた。






全くこいつは。






「はぁ。わかってる。ほら、座れ。お前に会いたがってる奴らがいんだよ」








私はそう言って菜月を座らせると部屋から顔をひょっこりだし、夏たちの方を見た。












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