夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「あの、若頭、お嬢!予備タオルの場所知りませんか!?」
奥の部屋で誠とぐーたらしてたら組員の子がバタバタとやってきた。
……確かこの子、この間来たばっかの子だ。
予備タオルか。
車に乗せとくやつか。
「予備タオルの場所は、大浴場の横の部屋。」
私がそう言うと元気よくお礼を行って走っていった。
いい子だな。
「お腹すいた」
誠が不意にそう言って私の方を見た。
「……作れってか」
「正解」
「ったく」
私は呆れながら立ち上がるとキッチンに向かった。
不思議なことに、私は食べられないくせに料理はできる。
不思議だな。