夜ー闇に隠された瞳の奥ー


私がそう言うとにこりと笑い、成さんは言葉を続けた。

「みずな、今日から華流学園に通ってくれないか?」

華流学園…成さんが理事長をやっている学園か。

「……それは、」

「仕事だ。」


私が言おうとしたことを成さんが言う。

仕事…。

私の仕事。組の、仕事。

「わかりました。」

「すまんな、最近治安が悪くて私の学園の奴らも心配なんだ。」

成さんは生徒想いだ。

「いつから行けばいいですか?」

「今日だ。」


流石に私も驚いたよ。

今日かよ!って。

でも、承知。

「わかりました。」

私は口角を無理やりあげて言った。

「ありがとう、着いたらまず理事長室に頼む。それと家なんだが、ここからは少し遠いから近くにマンションを借りておいた。それも後で言う。」

成さんはそう言うと「じゃあ、また後でな。」と出勤して行った。


< 5 / 587 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop