夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「……」
首を少しだけ動かすと、私の体にいろんな管が繋がれていることがわかった。
……………あぁ、確か鈴木組との抗争で……。
生きてたんだ、私。
実感がなく、気持ち悪い。
手を動かしてみても、なんだか違和感しかなくて。
それに、一人が嫌だ。
誰か、いないの?
目線でキョロキョロと辺りを見回すと、部屋についているガラス板の奥に、誰かが居るのがわかった。
廊下側につけられているガラス板。
きっとその廊下には椅子が置いてあるのだろう。
それに座っている。
背中だからはっきりとはわからないが、なんだかあの背中は…夏のような気がする。
……………夏なの?
手を伸ばしても、届かない。