夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「ふぁ…………」
眠いな。
「眠いのか?」
夏の声に頷く。
「じゃあきょうはもう帰るか」
成さんがそう言って私の頭を撫でた。
「夏くん、君らも気をつけて帰るんだよ」
「あ、はい」
成さんはそう言ってにっこり笑うと、誠と尚夏を連れて出て行った。
……流は?
流の方を見ると私の方に来た。
「お前、無茶しすぎ。無理するなってどれだけ言われてると思ってんだ、馬鹿が」
む。
「馬鹿って酷い。それに、無理してないよ」
私はそう言って流を見た。
「ったく、これからは気をつけろよ。」
「はーい」
流は優しく笑うと、私の頭をくしゃくしゃに撫でて出て行った。