夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「…なぁ、聞いてもいいか?」
治矢に掴まれている龍太が急に真剣な顔をして言った。
「やっぱ、やめようかと思ったんだけど、きになる」
「………」
「………みずな」
…………まぁ、いつかは聞かれて、言わなきゃならない時が来るとは思ってた。
「みずな」
「みずな………」
「みずな………、」
夏、治矢、直気も言う。
「………いいよ、退院したら私の家来て。全部話す」
私はそう言って目線を伏せた。