夜ー闇に隠された瞳の奥ー




「ありがとう」


「ありがとうございます」


「………ありがと」


「………さんきゅ」






「………別に、いいよ。いつかは言わなきゃダメだってわかってたから」







私はそう言ってぐっと手を握った。







「じゃあ、また来るな!」




龍太はそう言ってニカっと笑うと治矢の手の中から出てドアに向かって歩き始めた。





「また、ですね」





直気も笑顔で出て行った。







「ばいばい」





治矢も手を振って出て行った。








「わりぃな。起きたばっかなのに。無理させたよな」






夏はそう言って私の頭を撫でる。
















「全然大丈夫、無理してない」



















なんでか今日は沢山頭撫でられるな。










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