夜ー闇に隠された瞳の奥ー




「…やっと退院だな」






流が運転席からミラー越しに私に言う。






「うん、退院」








「ったく、心配ばっかさせやがって。生意気なんだよ」








流はそう言って欠伸を一つした。







「ごめんね、気をつける」







「あぁ」







「ありがとう。流にいつも助けられてるよ」










「たりめーだ。俺はお前の世話係だ」










流はそう言って明るく笑った。













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