夜ー闇に隠された瞳の奥ー



朝、騒がしくて目が覚めた。

「………なんだ」

そろりそろりとリビングに向かう。

「ぎゃはは!なにそれ面白い!」

「龍太、うるさいです」

「………そしたらさー、センコーが……眠いからもう話やめる……」

「はっ?こんないいとこで!?治矢ぁー!話せー!」

「………うるさい」



!?


どどどどうして?

私は咄嗟に壁に隠れた。

そして部屋に戻り、カラコンをつけた。次にカツラをつけようとしたら………


ガチャッ


ドアが開いた。

畜生、慌ててて鍵閉めるの忘れた。


「………ほら、女じゃん」

そこには夏しかいなかった。

「は、なんのこと?アナタハダアレ?ワタシハダアレ?」

やばい、片言になった。

夏は部屋に入ると鍵を閉めた。

そして近づいてきた。

なので私もさがる。

「………なんで男になってた」

「………」

「みずな」

トンッ

背中が壁に当たった。

嘘でしょ。


「………みずなじゃない」

「嘘つくな。バレバレだぞ」

うっ。

ですよね、ですよね。

夏は静かに私の顔の横に手をついた。

これが壁ドンってやつか。

まさか、こんなピンチな時にされるとは…。

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