私の仕事と結婚

「野崎です。いつも桜井さんにはお世話になっていますが、お会いするのは初めてですね。お電話ばかりで失礼しています。」

お互いに名刺を交換する。

目の前にはいつも電話で不愛想なユニットバス会社の担当者が居る。

思ったよりも若い。

私よりいくつ下なんだろう。

日に当たると少し茶色い髪。

なかなかのイケメン君じゃないか。

「私が営業の横山です。桜井は私の現場の発注関係を仕切ってくれていますので、いつも桜井に任せっきりで申し訳ありません。」

いつもの営業の顔で対応する横山さん。

「いえいえ、桜井さんの発注書はとても明確で助かっています。　御社からの発注は桜井さんが一番多いですよね。」

「横山の契約が多いものですから、必然的にそうなりますね。」

私は愛想笑いをする。

「桜井さんは、工期もしっかり管理されているので、こちらは頭が下がります。日程通りに納品出来てないと、鋭いお電話がかかってきますからね。」