私の仕事と結婚
「あのね、あまりの急展開で戸惑ってる。私、自分がどうしたいんだろう?」

きょとんとする典弘の顔をじっと見つめる。

「一回兄貴と会って、事務所の雰囲気と内容を自分で確認したらいい。決めるのは歩夢だよ。」

「えっと…。」

「どんな答えを出したって、俺は歩夢の決定を尊重するよ。もちろん結婚だって、歩夢が早いっていうんなら待つよ。」

私は手で顔を覆った。

何でだろう。すごく嬉しい。

「俺のペースと歩夢のペースを合わせていこう。でも…。」

典弘は一度視線を下に落とすと、また私の顔を見た。

「お願い、俺から離れないで。連絡もちゃんとし合おう。もうあんな思いはこりごりだ。」

「私も我慢するの辞めるね。」

私は笑いながら言った。

「歩夢、俺はマジだからな。」
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