私の仕事と結婚
「私もちゃんと考える。転職も、…典弘との結婚も。」

そういうと典弘は私を見て微笑んだ。

店の外へ出ると、典弘は私の手を取った。

「さぁ、歩夢の家へ荷物を取りに行こう。」

驚く私の顔を見て、典弘はくすっと笑うと

「泊まって行くだろう?明日は家から出勤すると良い。」

さらに手をぎゅっと握る。

何も言えない私に、心配そうに典弘が囁く。

「イヤ?」

私は典弘の言葉に、首を横に振る。

「久しぶりに会ったのに、食事だけで返すつもりはないよ。」

「でも疲れているから、すぐに眠っちゃうかも。」

私よりも、典弘の方が疲れているはず。

無理はさせたくないな。

「じゃあ、一緒に住む?歩夢は通勤がすごく楽になるはずだよ。」

「でも…。」
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