私の仕事と結婚
至近距離で目が合った。

「いつも告白されて、付き合っていたって。でもすぐ振られてったって。」

「あいつ、そんな事言ったの?」

呆れたような典弘の顔に私はクスリと笑った。

「俺から告白した事なかったよ。初めて自分から好きになったのが歩夢だもん。」

「この歳まで?」

「女には困らなかったからね。でも言われるがままだから、すぐ振られる。」

典弘は苦笑いをした。

「店長さんね、典弘の事よろしくお願いしますだって。良い友達だね。」

もう一度典弘は私をぎゅっと抱きしめた。

「ねぇ、もうそろそろシャワーしない?」

典弘の言葉にうなずくと、そのままお姫様抱っこされ、浴室に運ばれた。

「また一緒?」

私は落ちないように、慌てて典弘の首に腕を回す。
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